阿寒 クマゲラの伝説(仮タイトル)
『昔ある老人が十二月頃山狩りに入ったが、雪が20cm程あるうえに、夜に霙が降って朝に凍ったため歩くたびに凍った雪がガサラガサラと崩れた。獲物に逃げられそうだなと思いながら沢を登っていくと、山の出鼻を過ぎたところで、 クマゲラが大きなエゾマツの枯れ木にとまって、虫もいないのにしきりに木を啄いていた。変なことをするものだと思いながらふと目の前をみると、大きな熊が土の穴から身体を半分乗り出して、クマゲラの方を見上げていたので、毒矢を射かけてその熊を獲った。熊は老人の足音を聞いて穴から出かかったが、クマゲラが近くで木を啄いているので、その音にひかれてキマゲラの方に気をとられていたのだった。クマゲラは老人に熊を獲らせるために、虫もいない木を啄いて熊の注意を自分の方に引きつけておいたのだ』阿寒町・伝承者不詳・更科源蔵・コタン生物記Ⅲより。※クマゲラに関する伝承は多いようです。
- 2012.05.24 Thursday
- 伝説・根室&釧路
- 19:41
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- by hiro