コアカゲラの伝説
『木に嘴を刺して鳴くのは、水が飲めないからだと言う。コアカゲラは皆の前で「水を飲まない」といったものだから、皆の前で水を飲めなくなってしまった。そこで水を飲みたくなると嘴を木に刺して、喉をコロコロならして雨を呼び、雨が降ると口を上に開けて木を伝って流れる水を飲むのである』サハリンアイヌ語辞典の十勝方言辞典より
- 2012.05.24 Thursday
- 伝説・十勝地方
- 18:43
- comments(0)
- trackbacks(0)
- by hiro
『木に嘴を刺して鳴くのは、水が飲めないからだと言う。コアカゲラは皆の前で「水を飲まない」といったものだから、皆の前で水を飲めなくなってしまった。そこで水を飲みたくなると嘴を木に刺して、喉をコロコロならして雨を呼び、雨が降ると口を上に開けて木を伝って流れる水を飲むのである』サハリンアイヌ語辞典の十勝方言辞典より
『それは遠い昔のこと・お日様が始めてアイヌの世を照らそうとしたとき、悪魔がこれを憎んでお日様を飲み込もうとした。すると、いち早くこれに気づいた創造神のコタンコロカムイ(国造り神)は鳥四千羽と鼠四千匹を造って悪魔の口に放り込んだので、悪魔は半分飲みかけたお日様を吐き出した。ついで悪魔は、今度はお月様を飲み込もうとした。するとまた鳥四千羽と鼠四千匹が悪魔の口に飛び込んで、お月様を救い出した。それで鳥と鼠は、お日さまとお月さまの命の恩人なので、鳥や鼠が勝手に振る舞い、人間の食べ物を横取りしても、神様はその手柄に免じて大目に見られるのだ』芽室町・伝承者不詳・稲田浩二編・アイヌの昔話より。