北海道は道北と道東の観光スポットやアウトドア、渓流と滝を紹介

宗谷・情けないトドの話(仮タイトル)

『昔ポノサマイクルという神がいた。このポノサマイクルがある日外にででサンナイの沖の島にトドが上がっていた。そこでポノオキキリマとともに船を出して、立派な銛に丈夫な柄と綱をしっかりとつけ、サンナイの島に船を漕ぎ進めた。ポノサマイクルは島影から忍び寄り多くなトドに銛を投げつけ、しっかりと両手で綱を握った。ところがトドは七日七晩も海上を北から南へ、南から北へと船と一緒に二人を引きづり回したが、トドは少しもへたばらない。ある日トドがそっと水から顔を上げて二人の様子を見ると二人とも腹がへっていることがありありと顔に出ていたので、「今に見てろ」とトドはまたも水底深く潜って走りに走った。ポノオキキノマはついにたまりかねて「網を切るべ」と言い出したが、ポノサマイクルは「いやここで負けてなるものか」と、手を血だらけにしながらも歯をくいしばって、なおも綱を放しそうにない。しかしポノオキキリマが終に倒れてしまったので、ポノサマイクルも仕方なく綱を切って、「ヤイ憎いトド奴、お前はただの人間だと思って我々をひどい目にあわせたが、今に見てろ、お前の身体に刺さっている銛の木はノリキリだし、綱はイラクサだから、二三日するとお前の身体にはノリキリやイラクサが茂って重くなり、だんだんと重くなり泳ぐこともできなくなる。そのうち銛の柄のシウリが林になって、全く泳げなくなるぞ。そして夜昼七日の大時化にあって山と淵の間にながされ、波打際により上がって腐り、小島になって大きくなったノリノキやシウリを伐りに来る男たちや、イラクサを苅りに来る女たちに小便をかけられて、ひどい臭いめにあうぞ」といって山に行ってしまった。「何をたかが普通の人間のいうことが」トドはたかをくくっていると、二、三日すると時化が来て、いわれた通り浜により上がって腐り、その上にノリノキやシウリが大きく伸び、イラクサが茂り、それを採りに来る人間に小便をかけられ、情けないめにあった。だから人間だと思ってバカにするものではない。と大トドが語った』 宗谷・伝承者不詳・更科源蔵・コタン生物記Ⅱより。

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