北海道は道北と道東の観光スポットやアウトドア、渓流と滝を紹介

シアンルルのコロポックル伝説

『十勝川付近に移り住んだアイヌ族は至って平和で安楽な生活に恵まれていた。シアンルル(十勝川)には無数の鮭が上がった。また森林の薄いところには熊に襲われるのを避ける鹿群がいた。それで衣食は十分だったのである。而しこの平和な十勝川沿岸の生活に不思議に耐えられぬ事件が夜な夜な起こった。夕陽が西方の森林に没して寂漠とした。真夜中、アイヌ族の住居を訪れて東の窓から石の椀、または水の椀に入れた鮭の卵等が置かれるのであった。初めはアイヌ達も恐れをなしていたが、或一人が「猟の帰り影のような小人が大蕗の下に居るのを見つけた。本当の影のようで捕らえることは出来なかった」という話があってからは、確かに夜な夜な食べ物を与える者はこの小人に相違ないとの考えからその正体を見極めることに議が決した。そしてその正体を見極める役として二人の青年が選ばれたのである。青年達は東方の窓下に寄って夜の更けるのを待った。やがて十勝川の流れの音のみが響き渡る真夜中となった。青年達はじっと窓を見つめた・・・その時である、洞穴の暗がりの様に不気味にその窓から真白なしなやかな手が、石椀を持った手がするすると伸びてきた。青年の目は異様に輝いた。あつ・・・次の瞬間、響いた悲鳴それに続いて可愛い女、小人の女が引きずり込まれた。石椀に盛られた鮭の卵は散乱している。引きずり込まれた小人の女は恐ろしさのために打ち伏している。小人ではあるが福よかな肩の円味、波打つ黒髪、青年は食い入るようにそれを眺めていた。遂に青年は小人女の総てを見た。特に目立って彼らの心を引いたものは鼻下の入墨であった。小人女コロポツクル女の悲しみと怖の一夜、アイヌ青年の喜びの一夜はあけた。その朝コロボックル女は青年の手から離されるを得た。それから二三日は過ぎて或朝まだ朝霧霞む十勝川の流れを一つの丸木船が下っていた。船には六拾人(多いと言う形容詞で定数ではない)が乗り口々に「トカップ、トカップ(呪言=悉く死すよい鮭の皮の焼けただれた如く死すがよい)」と叫びながら。それより後十勝にはコロボックル人の姿は見えなかったが、然し「トカップ」の言葉は何時迄もアイヌ族の脳裏を離れなかった。それで十勝川(シアンルル)沿岸大体の土地を「トカップ」即ち十勝と命名したのである。』伝承者不詳・宮田貢・十勝の伝説より※この話は採録者よる多少の脚色があるかもです。ここでは要旨を変えないように配慮し一部割愛して掲載しています。

コメント
コメントする








 
この記事のトラックバックURL
トラックバック

 カレンダー

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< January 2013 >>

 selected entries

 categories

 archives

 recent comment

 links

 profile

 search this site

 others

 powered

無料ブログ作成サービス JUGEM
楽天・フィッシング市場
楽天・アウトドア市場
楽天・季節特選
qrcode